ふれないコミュニケーション社会へ

ある新聞のコラム欄で、ある有名なアーチストを取材した際、握手をしようとしたら、拒まれた
ことが書いてあった。「きみの手に触れると、その菌が体内に広がって、病気になるから。だから
私はもう長い間、誰とも握手をしていない」とあり、さぞかし、その拒まれた方はそのとき
返事に窮しただろうと想像した。
確かに、どこの誰かわからない人と接触するのは、見方によれば危険ということになるのか。
じゃ、毎回手を洗えばいいじゃないかとも思うが、ま、それはそれとして。
一方、最近、街角、職場でマスクをしている人は多い。
風邪をひいているから・・だけの理由ではないようだ。
仕事で会った方がマスク姿のときが多いので、
「風邪ですか?」
ときくと、
「いいえ。菌が入らないように予防しているのです」
とのこと。
であるため、その方の口元がどんな表情だったか、またどんな心境で話をしているのか
が目だけではわかりづらいこともある。

人が増えると、人の接触が多くなると、確かにばい菌も入りやすくなる。
そういう意味でも、予防はもちろん大切であるが、
あまりにも、「ふれないコミュニケーション」が主流になると、どうも人間関係が
乾燥しそうな危惧もある。

免疫力を付けることも生きる上では大切だ。
触れることで、強くなることもあるはずだ。

もちろん、人それぞれの体質があるため、一概にはいえないが、
人との距離をおき、自らの命を健康を守ることが当たり前になると
会話コミュニケーションにも支障が出そうな・・。

会うとき、別れるとき握手をしよう、ハグをしよう。
こっちの方が人間らしくていい。
そして顔の表情をちゃんとみて会話できる関係が
いい・・と思っている。

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最後の注文の年末。

1年を無事に過ごせることは、そしてそのまま新年を元気に迎えることができることは
何よりの幸せで、実はとても贅沢なことだ。
年内で会社を廃業される方や、大切な方を失くし、さみしい思いで年越しをされる方の心中を
察すると、飲んで騒いでわいがやの年末だけではない、年越しがあるのだということを思う。

この17年間、名刺をずっと注文してきた会社。
実は最初はある文具屋さんを通じて注文していたが、そこが廃業されたため、今度は直接
注文してきた。メールでのやりとり、宅配便での納品に、代引きでの支払い。
それだけで十年以上、お願いしてきた。福岡にある印刷会社だ。
名刺は大切なコミュニケーションツールなので、とデザインはもちろん、紙にも凝って・・
そこはケチらずにやってきた。そして、好評いただいてきたわが名刺。
紫色と赤色のトレーシングペーパーの2種。生涯これでと思っていた。

その会社から郵便が届く。諸事情により、年内で廃業されるとのこと。
へえ~~。それは困った。これと同じようにできるところあるのかな。(あるとは思うが)
でも、ここのが好きだった。
すぐ在庫を見て、メールじゃダメだと思い、電話をした。
状況を確認し、即注文をした。
いうなれば「最後の注文」。
予想どおり、紙の在庫がある分の範囲での注文となった。

顔も見たことがない、担当者からご不便をおかけして・・とお詫びのメッセージ。
そして最後の注文・・・の確認。

なんとも胸がいっぱいになり、またここで作った名刺1枚1枚が急に大切に
思えてきた。
もう、無駄使いをしたらいけない。大切に使わなきゃいけない。

と、そんなことを思いながら、引き出しを整理。

おそらく、日本中で、この年末に廃業される会社はたくさんあるだろう。
それぞれの終わり方、それぞれの最後の注文。

ある上場企業の方がその昔、人間の命は限りがあるが、企業には終わりはない。
と言われていた。もちろんそうありたい気持ちはよくわかるが、
ほとんどの会社がいつか終わる。

恐らく廃業案内を出したあと、駆け込み注文が続いているはずだ。
ご担当の方たちは、この最後の注文に対し、どんな思いでかかわっておられることかと
思うと複雑な気持ちになる。

長い間、素敵な名刺をつくっていただき、ほんとうにありがとうございました。
これからも、大切に使わせていただきます。

顔も見ていないのに、1枚の名刺の向こうに、九州にあるその会社の担当者の顔が
ふと見えた気がした。そして注文メールの最後に
「私も印刷会社で働いていた時代があるので、他人事と思えません。
次の出発先がわかったら、ぜひお知らせください」
と書く。

最後の注文の名刺を待つ、年末。
いろんな年末がある。

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漢字かな文字入りで、喜ばれるお土産に。

ブエノスアイレスの友人ミゲルや、その仲間はどうも、日本の文具がお気に入りのようだ。
彼らは、ブエノスでは100年以上、世界でも2番目に歴史のあるカフェで働く。

前回、私がもっていた4色ボールペンを見て、どうしても欲しいといって、ある給仕人が近くから
離れない。
店で注文をとるときに使っている緑色のインクが出るちょっとチープなボールペンと交換してほしいと懇願、・・しぶしぶ交換した。(あとで、もったいなかったと正直思った)
そしてその様子を見てミゲルは「いいな~。日本のボールペン・・」と、うらめしそうに見ていたのを覚えていた。

それから、私は記念品として展示会などでもらう、ノベルティの名入れボールペンをとっておくようになった。
日本だと、その名前が入っていると、ちょっと使えない・・そんなものをいただくこともある。
だから、その名入れペンを、海外の仲間への日本の土産にと思いついた。

今回、漢字で社名・団体名やカタカナでスローガンなど入った名入れのボールペンを何本か持参、
そしてミゲルにプレゼントした。名入れペンだけでは悪いので、一応、4色ペンも買ってもって
いった。

すると、ミゲルは感激し、日本の文具はかっこいい、スマートだ、と喜びはしゃぎ、
いろんな紙に書いて試しては、「ワオーッ」とか言って、一人で盛り上がり、仕事そっちのけで
そのペンを周囲の仲間に自慢する。「これ、MASAKOからもらった~。いいだろう~」
という具合に。周囲の給仕人たちは羨望のまなざしで、ミゲルと私を見る。
そのペンのほとんどには、漢字やひらがなで、社名などが刷り込んである。
彼らには、その社名は読めないため、意味はわからずとも、その形がかっこいいのだ。

私はひとり笑いながら、「いいでしょ。日本のペンは!」と説明した。

帰国してから、その話を家族にしたら、大爆笑。
「へえ?そんなもの、お土産にもっていったの??」

そう、ちょっとここでは使えないかな~と思う記念品などは、思わぬところで
使えることがある。

それにしても、日本の文具は大変評判がいい。

ということで、名入れ文具も躊躇せずいただき、ストックしておくことに
しよう。
その配布する企業さんには、大変申し訳ないのだけれど・・。国際的にPRしているという
ことでお赦し願おう。

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GO WEST, MEET WEST

すみちゃん。と呼んでいる女子がいる。
会ったのはもう10年ほど前、京都で知り合ったエステシャン。
その後、ニセコに転勤したかと思ったら、オーストラリアにワーキングホリデー
と思ったら、いつの間にか東京に住み着いていた。
東京にいると思うと、なんだか家族みたいで、会う回数こそ少ないが
妹のように思って、接していた。
お父さんの調子が悪いと聞いたのは、半年以上前のこと。いつかお父さんの前で
演奏したいね。だから呼んでね・・。と約束。
そして、再会したのはこの週末。
見た目いたって元気で変わりない様子。そして、東京を離れて、岡山の実家に
戻るという。そしてその準備をしている。だから、今回の会食は東京でのお別れ会
ということになる。
お父さんの容態のこともあって帰るのかな?と思っていたら、
なんとお父様はこの夏に、亡くなられたそうで、驚いた。
お父様が亡くなったことがきっかけで、いろんなことが変わり、そして
自分の拠点を見直すことになったという。
それでも、彼女はとても前向きで、いきいきしていて、もう心はふるさとでの
新しい暮らしや仕事に向かっている。
「そう、もう東京じゃなくていいよね。もう十分経験したしね。」
すみちゃんと話していると、自然と関西弁同士になっている。
「今度は、西で会おうね。」
そう、彼女とは京都で出会い、最初は私は客のひとりだった。
彼女の全国?世界縦断の10年に合わせて、いつのまにか家族のような存在になった。

お父さんが空で感謝されているよ。ありがとうってね。
今度は、お父さんを思い出して、西で演奏会やろうか。

すみちゃんの目はきらきらしていた。涙でもあり、明日を見るエネルギーの
光でもあり・・。

東京を卒業する人が増えつつある。
GO WEST, MEET WEST.

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今年一番良かったことは何ですか?

本年最後のラジオ収録を終えた。
今回は大晦日放送ということで、紅白歌合戦がライバル?の時間帯にもなる。(笑)

それはさておき、出演いただいたゲストへのインタビューの後半に、
大晦日らしい質問をする。
「今年は、あなたにとってどんな1年でしたか?」
「家族にも、仕事にも、街の人にも、食べ物にも感謝の一年でした」
と答えたのは、食の仕事をしている方。食べ物にも感謝・・。
確かにそうだ。元気に1年を過ぎせたのは、食べ物のおかげだ。すべての命に
改めて感謝する。ここは、忘れてはいけない。
もう一人のゲストに問う。
「今年、一番良かったことは何ですか?」
すると、すかさず返事。
「マーサさんに出会ったことです。」
「ラジオだからって気をつかわないでください」
「ほんとうに、俺、そう思ってますから」
と、言われ、赤面しながらも、とてもうれしかった。
収録後、事故の雪道を何時間もかかって、帰路に着かれたその人からの
メール。
「今日はありがとうございます。お会いするといつも元気をもらえます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。」
というメッセージ。

今年いろんな新たな出会いがあった。
悲しい別れもあったけれど、生きていれば、元気であれば
新たな出会いにまた巡り合う。

今年一番うれしかったこと。これは大晦日まで毎日更新されるかも
しれないが、「あなたに出会えたこと」と言われること、思われる
ことが何よりの幸せだ。

年末は一年を振り返り、感謝する締めの時間。
丁寧に過ごしていかねば。

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真実求め、偏りなく情報を取りに行く。

たとえば、ある国の外交に対する報道。
どっちかの国の情報だけ見ていると、間違った理解をすることがある。
その情報が事実以上に誇張されていることもあり、真実を語っていないことも
あるが、一方の情報だけ見ているとそれに気が付かない。
だから、もう一方の国のニュースも見る。
それにより、両方で同じことを伝えていれば、それは事実。
というモノの見方は大切だ。

正しいことを見極めるには、自分で情報を集めに行かねばならない。

前にも書いたが、トランプ氏が大統領選挙に勝つといったジャーナリストは
既存のメディアが探さなかった現地の情報をつぶさに独自に調べ続けた。
自分で探しに行くということが大切だ。

ということで、ロシアのニュースを見ると、大統領の訪日初日のことは
トップニュースではない。訪問の意図や成果を静かに伝えているだけ。
日本だけが訪問前から、大騒ぎ、期待している。
とくに、お膝元が?

とにかく、真実を知るには、多面的に情報を自分から取りに行くことが
大切だ。
ということを、今回も改めて知る。
憶測で話している評論家ほど、あてにならないものはない。

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違うところを見る習慣。

おかしい、間違っていると思うことが多い世の中、
目を背けることができない、この情報化社会。
知ることが不幸なことも多々ある。
知ることにより、人間は余計なストレスや負担を自らに
与えているような・・そんな現代社会。
マスコミに踊らされてはいけない。
正しいとは限らない、むしろ疑うことから始めなければ。
でも、知ることが苦痛であることも多い。

とはいえ、まったくそこから逃げることは、そこで生きている
以上なかなかむつかしいのだけれど、
おかしいと思う世界のことを自分が心配しても今はどうにも
ならないことが多い。
だから、
違うところを見るようにする。
小さな世界でも、うれしいこと、素晴らしいことを
みつけるようにする。
共感できる人との時間を大切にする。
まずは、その積み重ねで毎日を楽しく過ごせるように
努力したい。

そう、楽しく前向きに生きるためには、
そのように仕向けていくことが必要だ。
自分で選び取り、自分で見極める。

世の中に蔓延していることだけが
正しいのではないのだから。

知人が毎年年賀状に書いている
「いいとこさがしの旅」。
そう、その目線を苦しい、違和感があるときほど
持ち続けなければならない。

楽しいは、苦しさの上にあるかも・・

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ライブツアー本年開催についてのご連絡

年末になり、「今年はディナーショーないの?」「ライブはいつですか?」とのお声を
お聞きしております。
覚えていていただき、気にかけていただき、大変ありがとうございます。
本年は、春より右手首が腱鞘炎になってしまい、リハビリを継続中です。
なんとか ふるさとライブは開催しましたが、多会場での開催や、ダイナミックな
ピアノ演奏が不安定な状況ということもあり、2016年の開催は見送らせていただきました。

来年以降、改めて開催のご案内ができるように、ただいま準備中ですので、
楽しみにお待ちください。
原因はピアノの練習からでは決してなく、パソコン・荷物の持ちすぎといった
違う意味での職業病からのようです。
毎日使う手だからこそ、大切にせねば。
体力も有限であり、使いすぎれば壊れるということを痛感した1年です。

皆様もどうぞ、ご自愛ください。
来年のご案内まで、今しばらくお待ちください。

多数のお問い合わせ、ありがとうございました。
                           Mahsa 今尾昌子

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今どき発見。「命かけてやります!」のお仕事女子。

最近、一緒にお仕事させていただいているひとりの女子。
(かなり私に近いお年頃ではあるが、私から見るととても
キュートでもあり、乙女のようなところもあるので、
あえて女子と呼ばせていただく)
7年か8年前にお会いしていたが、それ以来のご無沙汰の再会。
彼女は、ある意味 その当時と変わらないを直球な行動力を
持ち合わせ、年を重ねていた。
なぜか、とても信頼してくださり、一緒に仕事をさせていただきはじめた。
その積極性たるや、なかなかお目にかかれない稀有な存在で、
やらねばならん!と思ったら、即行動、自分から手を挙げて
「私、やります~!」
という、見事なまでのがんばりやさん。
ありがたいご縁で再会できたのだからと、ついつい、私ものめり込み
そのプロジェクトの成功に向けて走り始めている。
ある夜、どうしても翌日社内プレゼンを通さないといけないことがあり
夜中にその女子は
「私、命がけで明日はがんばります!」
と、メールをしてきた。
え?まじ?
「あのー、そんなことに命かけなくていいですけど。ゆっくり
おやすみください」
といった返事を出しながら、ひとり笑った。
そして、翌日彼女はそのプレゼンを命がけで
頑張った様子。

今どき、仕事に対して、とくにサラリーマンで
「命がけでやります!」
という人は少ないだろう。
頼もしく、また見ていてその猛進ぶりがときにハラハラして
見守りながら、心からサポートしていこうと思っている。

不思議なことだ。
人は時間を経ても、長い時間を経ても、忘れずにいてくれるものだ。

命がけでがんばります!なんていう社員がいる会社の
社長さんは、さぞかし、お幸せだと思う。
そして、言葉に出すかどうかは別としても、そんな強い思いで
がんばっている人たちは、時々みかける。
その人たちに、きらり!光ってほしいと思っていす。

私も、よっぽどでなければ、
命がけで・・とは言葉に出さないが、
同じように、行動を続けたいと思っている。
なんといっても、一日一生だから。

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箸を落とすと、店がわかる。

最初、隠れ家にしていたかったお店。一度、解禁にすると、あとは自然と広がって・・。
公的な会食にも利用するようになる。
神田のある、もつ焼きの店は、そのなかのひとつ。
お世話になっている方たちとの忘年会に利用してみる。
さすが、神田の平日、師走。
毎日忘年会で何回回転しているか?このシーズン、がんばりどきのこの業界、このお店。
予約したのは月曜日。週明けはさすがに少しは空いているかと
思ったら、いやいや18時すぎから、満席状態が続いている。
しかも神田の居酒屋は男性客が多いので、店全体がスーツ色で
なんとなく重厚感に満ちている・・。
こんなにお店って、人が大勢いることで雰囲気が変わるのかと思うほどに
大賑わい。週末訪れるお店の様子とは、まったくと言って違う。
そんななか、わがグループも楽しく、もつ鍋を囲む。
いろいろ楽しく話して盛り上がったとき、ふと、わがテーブルの
どこかから、お箸がテーブルの下に落ちた。

「すいませーん」と、手を挙げてスタッフに箸を変えてもらおうと
したら、なんとびっくり、そこの店長、すでに箸を2膳もって
やってきた。
「へえ。今の音でわかったの?」
「はい、この音は聞こえるんです」
へ?この喧噪のなかの箸が落ちる音が??
わがテーブル、全員驚きと感動・・。

どんなに忙しくても、どんなに混雑していても、お客様が見えている。
この店、やっぱり、大したものだな~。

料理よし、値段よし。そして気が利く人たち。
これがいい店だ。

小さなことかもしれないが、久しぶりに感動した接客現場の一コマ。
この店には店長もいるが、こども店長という名刺をもつスタッフもいる。
サービスとは、こういうこと。安くしたり、おまけをつけることだけ
ではない。
お客様の心を温かく、楽しくほぐすこと。

こういう店は、隠れ家でもいつの間にか、わかる人にだけ
伝えたくなるものだ。

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