一昨日前の防災セミナー&ふれあいコンサートの前、
岐阜の町は、高校野球応援で熱気に満ちていた。
半世紀前はテレビに首付けになる人、バスを連ねて
甲子園まで出かける生徒の家族、OB・・・。
当時の岐阜駅の前から、直行バスが出ていたようで、
まだ歩けないほどに幼かった私は抱っこされて
甲子園に連れていかれたようで、当時のモノクロ
写真が残っている。
今回ベスト4に残った唯一の公立高校(と評された)、
県立岐阜商業。地元では「県岐商」と呼ばれ、高校野球の
名門として知られてきた。
私が幼いころ連れていかれたのは、叔父がそこの出身
であったから、皆で応援にいったという時代。
一大イベントであった、そして今もやはり、高校野球は
スポーツのご当地対戦のひとつで、ふるさとが盛り上がる。
久しぶりのベスト4進出ということで、今は70代後半に
なったその叔父も興奮気味で、私も試合当日叔父に応援
メッセージを送り、勝ったときにはともに喜んだ。
きっと、今回の母校の後輩たちの活躍は、叔父にとって
青春時代が蘇る瞬間であっただろう。
さて、時間もなく試合自体を観戦し応援することはでき
ず、時々速報を見てドキドキしたり、落ち着かなかった
準決勝の日。コンサート前には試合も終わり、結果は
残念ながら・・。
勝っていたらすっきり嬉しいだろうが、負けたら負けたで
なんともいえぬ感動が湧いてくる。
悔しがっているであろう選手たちを想ったらこちらまで
胸がいっぱいになってくる。
ここまでよくがんばった。えらい!と結果よりもここまで
がんばった選手に心から拍手を送りたくなった。
そして、もちろんコンサートの時も、その話題に触れる。
地元の皆さんなので、すぐに伝わり同じ気持ちであること
もわかって、会場の空気があたたかくなる。
勝つことはもちろん素晴らしいけれど、ここまでがんばって
きたこと自体が本当にすごい!
こんなに暑いなか、いや甲子園はもっと暑かっただろうに。
ここまでの道のりを想像しながら、拍手を送った。
翌日、選手たちがふるさとに戻ってのメディアインタビュー。
選手が何名かが出演していた。
おそらく人生初のインタビューであろう。
しっかり日焼けして、しかもとてもさわやかな笑顔。
かわいらしい。かっこいい。
そのひとりひとりが、スター性はないけれど、本当に
純朴で素直で真面目に応えていたが、
「みなさんの応援があったこそ、ここまでがんばって
これました」
との発言があったときに、顔がほころんだ。
いいぞ!やっぱり岐阜の若者は素直でいい!
と思った自分がいた。
どう見ても贔屓目かもしれないが、ふるさとの球児
というだけで、親しみを覚え、愛着もわき、応援
したくなる。
彼らはこれからの長い人生のなかで、とてもとても
貴重な経験をした。
そのことを大切に、自分が得た宝とを大切に、また新たに
次に向けてがんばってほしい。
勝っても良し、負けても悔いなし。
地元というだけで・・・・愛が生まれる。
ふるさと愛。いろんな場面で、いろんなときに、
いろんな人に・・・。
贔屓目になる、ふるさと愛
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