言わないコミュニケーション。

もう二十年近く前の出来事。
ある企業の方と、私の知人と一緒に会食をした時のこと。
「あの方は、空気清浄機みたいな人ですね~」と知人の
ことをそう言われた。誉め言葉である。
余計なことは言わず、ただ人の会話を吸収してくれる。
周囲も気持ちよくなる。まさにコミュニケーションにおける
空気清浄機。
自分が自分がと、話をやたらしたがる人は多いが、その方は
確かに聴き上手だった。
「空気清浄機」とはうまく行ったもんだ。と二十年近いときの
その命名を今も覚えている。

コミュニケーションといえば、いかに伝えるか。が優先されるか
最近、意識するのは、「伝えないコミュニケーション」。
何を伝え、何を伝えないか。
この判断が人間関係、仕事にも大いに影響する。
何でも言えばいいということはない。

しかし黙っていること、言わないことは自分の中にため込む
ため、これも大変である。
まあ、馬耳東風。と適当に受け流せばよいこともあるが、
そう交わすことができないこともある。

ここは言う、ここは言わない。
インプットした情報をしっかり識別してアウトプットすることは
本当に重要だ。
言えば楽になる。いわねばしんどい。
ということもある。

信頼される人とは、情報の扱いを心得ている人だ。
口は大変危ない面をもつ道具でもある。

賢さとは、寡黙であることかもしれない。
とにかく多弁な人こそ、油断も信頼もできない。
と、街からネットからあふれ出る多弁な選挙活動をしている人を
見ながら、
静かに本質を語る人が真に賢明である。
と改めて・・・。

その騒がしいのもあと1日で終わるのはありがたい。

話しを戻す。
「言わない」「伝えない」コミュニケーション。
真の優しさ、思いやり、寄り添いとは・・
こういうことも含まれる。

賢明なコミュニケーションを求めたい。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク