80年という節目をいかに?

演劇を創る、演じる人たちとのお付き合いもあることが、
クリエイターとしての自分のモチベーションアップに
役立っていると感じることが多い。
音楽を創る、演奏するという世界も大変創造的で
素晴らしいけれど、演劇は言葉と演技、そして
舞台、音楽、照明で表現される総合芸術。

映画も総合芸術であるが、こちらはロケも含め、
複数個所で撮影。その後、時間をかけて編集し、
完成。その後は何度も同じ作品を上映することができる。
複数の映画館で国を越えて、鑑賞してもらうことができる。

演劇は基本、劇場という箱のなかで、本番一度きり。
演者と観客の距離も近く、空気まで伝わる。
毎回の本番ごとに違う出来栄えになる。
そこが演劇のすごいところ。究極のライブだ。
もちろん、コロナ以降、ハイブリッドやアーカイブ鑑賞
なども可能になったけれど、舞台での本番が基本である
ことに変わりない。

今年は予想どおり、戦後80年を記念した作品の上演も多い。
今回作家さんから案内をいただいた「パトリオット」という作品も
そのひとつ。
まさに、今年だからこそ!の意気込みが伝わり、惹き込まれ
役者の熱く重いセリフや、演技に深く感動した。

戦争とは?80年という時間は?記憶とは?
人間の本性とは?

戦争は人を「人でなし」にする。
人は究極の状態になると、変貌するのだ。
人が人を滅ぼす、これが戦争。

日本では戦後80年といっているが、今も世界では
内紛も含めた、戦争が存在している。
戦後を生きている日本こそが、そこに生きている日本人である
私たちこそが、今すべきことがある。

今こそ、本当に戦争の愚かさを改めて学び、
二度と起こさないように、自分ができることをしなければ。

と、この「パトリオット」を観ながら、今だから!
せねばならないこと、について改めて考えた。

涙を拭くのを忘れるほどの作品。
演劇だからの立体感。生なましさ。

映画とは違う、舞台と観客が一体になる芸術。
創る人、演じる人、観る人の三者から
生まれる共創の世界が素晴らしいのだ。
と、学生時代に少し学んだ芸術学の一端を
久しぶりに思い出した。

今日が千秋楽、ひとりでも多くの
方に観てもらいたい。

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