今年も咲いたよ。と声かけたい

梅雨から夏にかけては、毎年ここから苦行が始まるかのように感じる。
私にとっては気合の必要な季節となる。

そんな緊張を解きほぐしてくれるのが、紫陽花。まさに字の如く、紫の花。雨の雫が
季節感をより表している。
実家の庭に咲いたこの花。
「今年も咲いたよ。おかあさーん。」
と声をかけたくなる。

生きている頃は、この花たちがそんなに気にならなかった、帰宅しても目に
入らなかったくせに、母がいなくなってから、この紫陽花が存在感を増して、
毎年この季節になると、会いたい気持ちが募ってしまうのだ。

そういう意味でも、気合いの必要なこの時期。
雨にも負けず、暑さにも負けず、紫陽花のように、豊かに生きるよ。

と、そう言い聞かせる。

今月のコンサートでは、この花から生まれた「あじさい日記」を歌いたい。

今しばらくは、実家に帰るたび、花ひらく紫陽花を数えることになる。


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