前期も後期も要らない。
この括り方は、本当に失礼。どころか意味がわからないので、
早く消滅することを願い続けている。
本当にセンスのない、おかしなネーミングを考える人、通す人。
行政の仕事か何かしらないけれど、本当にやめてほしい表現の
ひとつ。ではあるが、この括りを逆手にとって、
パワフルに活躍されている方もおられる。
30年のNY暮らしから60歳になるのを機に、ふるさと博多へ
帰国されたジャズシンガーの知人。
久しぶりに電話で話す。
相変わらずのお元気な声。1年半までは飲食店も夫婦で
切り盛りされていたため、「ママさん」としてのの顔も懐かしい。
1年ぶりのコンサートを先週やったばかり。手術をされたため、
しばらくできなかった。
でも、おかげさまで無事に終えて、元気にやってるよ!との報告。
「もう、後期高齢者なんで、本当に医療が安くて助かるわ」
さっきまでコンサートの話をしていた時は、年齢のことは
忘れていた。
へえ?78歳ですか?
ずっと歌い続けておられるとはすごい。
後期高齢者・・・。
そういえば、最近聞いた落語家。福笑さん。
こちらもなんと、77歳?
だみ声は、お酒の飲みすぎかと思ったけれど、ポンポン
出てくる言葉のテンポは、40代・50代に負けていない。
根っからの芸人さんである。
その話術に舌をまくとはこういうことだ。
頭も口もフル回転。
後期高齢者とはご本人は言われないし、言う必要も
ない。ステージの上では、ひとりの芸人さんである。
ただ、それだけ。
後期高齢者という言葉を恥ずかし気に言われる方も
言われるが、どうぞ、そんな言葉は無視して、
いつまでも自分ができることを、とことんやり続けて
いただきたい。
先輩にあたる芸人さん、アーチストの方々を見るたびに、
自分の15年後、20年後をかっこよく想像してみる。
生涯現役で自分にしかできないことをやり続ける人。
そうありたい、そうなりたい。
センスのない言葉は相手にせず、
自分のセンスで自分を表現したらいい。
「後期高齢者」のパワー炸裂
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