エアメールの感激、再び。

この数年、エアメールを出したり、いただく機会が減った。
コロナの影響もある。自分が海外に行かなくなったこともあり、
またネットの普及で、どこに行ってもメールで連絡がとれるように
なったということも理由のひとつだ。おそらく絵葉書の売り上げも
激減し続けているのだろう。

そんななか、海外視察企画を業務とされている方が、時々、
世界の店舗の写真を入れて、その解説とともに送って下さる。
その1枚も毎回ありがたく、見て終わりにするには
勿体無いと、暫く手元に置いている。

営業的にみれば、実際にその店舗に出かけたいでしょう。
というお誘いかもしれないが、それよりも毎回毎回
送っていただいてありがたく、そのお手間に気持ちを
受け取る。それがこの何年かの間にいただくエアメールであった。

と、そのような海外渡航のプロからの
エアメールではなく、今回届いたのは、
ロンドンの名所の写真が入った観光絵ハガキ。
なんと、観覧車の写真も入っている。

誰から?
いつも通っている美容院の20代のスタッフさんからだ。
そういえば、研修でロンドンに行くとは聞いていたが、
まさかその出張先から?
お店のスタッフとお客様のひとり
という関係であるので、ちょっとおどろいたが、それ
以上に感心。
へえ、Z世代の人も、海外に行ったらエアメールを出すんだ。

とにかく久しぶりの観光絵葉書のエアメール、捨てないで
飾っておく。
美容院に行った時。その絵葉書のお礼を言う。

すると、なんとそのお店では、スタッフが海外研修に出た際には、
必ずお客さんに絵葉書を描き、現地から投函してくる。という
ことを研修期間中の課題のひとつとされているとのこと。

しかも、その絵葉書は、前の年に研修に行った先輩が、次に
研修に行く後輩が書く分を現地でまとめて購入してきて、
念願の海外出張の機会を得たスタッフに託すのだそう。
なんと素晴らしい、研修だろう。

「カットの本場ロンドンで最先端の技術を学んでいます!」
というメッセージが書かれた絵葉書を受け取ったお客は
きっと特別な気持ちになるだろう。
今度、そのスタッフにやってもらいたい、話を聞きたいと
思うだろう。その前に、わざわざロンドンから自分にハガキ
をくれるなんて・・と感激することは間違いない。
心から、なんと素晴らしい研修プログラムかと感心した。
せっかく費用をかけて海外に行くならば・・・。
いろんなことを体験してきてほしい、日々に生かしてほしい
という経営者の思いも見えてくる。

久しぶりに受け取った絵ハガキのエアメール。
以前は、海外にでたら必ず、実家の両親に送っていたなあ。
そういえば、自分に宛てて出したこともあったなあ。
いろんなことを思い出し、楽しい気持ちが甦った。

Eメールよりエアメールの方がロマンがある。
はるばる届いたという感動がある。

ネット社会主流の現代でも、1枚のハガキが生み出す
コミュニケーションの力は素晴らしい。
と、今朝もその1枚を眺めている。

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