京都はおもてなしの学校

本当に京都の商売人は、言葉使いだけでなく接客そのものも、発想も売り方も上手だと思う。

がっつり売り込むということはなく、大変さりげなくはんなり、すんなりお客さんのハートを掴む。

例えばある和菓子屋の店先。ショーウインドに赤飯まんじゅうというのがある。

それが目に入ったお客は、これは一体なんだろうと思う。

これ、なんですか?まさか。そうです。中にお赤飯が入ってます。へ。まんじゅうの中に赤飯が?

とお客さんはびっくり、じゃあ一度買ってみるということになり、会計しているうちに、次のお客が同じ商品を見つけ同じ質問、そして購入。

面白い商品を考え、さりげなく陳列。その反応を見てさりげなく丁寧に応対。

そのサイクルで商品がどんどん売れていく。

京都のお店にはじっと見たくなる、面白いものを見つけたくなる、そんなゲーム性もあるのかもしれない。そこに並ぶ商品から名前からパッケージから陳列からディスプレイから接客から。おいでやすに始まり、おーきに出終わるまでのドラマが楽しいのだ。

楽しみながら学べる京都という教材。

その種類も奥行きもなかなかである。何度学んでも飽きることがない。

カテゴリー: Essay (Word) | 京都はおもてなしの学校 はコメントを受け付けていません

ノスタルジック クリスマスの後

わいわいと賑やかなクリスマス。
日本はキリスト教の神聖なる祭事を、すっかり信仰ぬきの年末イベントに育て上げ、新たな市場を創りだした。クリスマスといえば、ケーキ、プレゼント、パーティー、チキン・・・。最近はオーナメント、ディスプレイが店頭のみならず自宅でも楽しまれているようだ。
そんな楽しいクリスマスももちろんよい。

一方、そんな喧騒を背に、は京都の小路を歩いてみる。

30年以上前に通っていた喫茶店を巡る。とくにクラシックが流れる素敵な名曲喫茶。残念ながら、歩きながら、もうその店がないことを知り、ショックを受ける。ある店は、焼き肉屋になっており、ある店は廃墟のように・・。

1件だけ残っているが、ここだけはずっとなくならないでいてほしい。
と、わくわくクリスマスもいいが、懐かしい日々をたどるクリスマスも
味わい深い。
わが青春のクリスマスはどうだったか・・と思い出しながら・・・。

楽しい宴が終わって、

どんどん時計が早く回る・・・。

全てが思い出となり、一年が過ぎようとする。


カテゴリー: Essay (Word) | ノスタルジック クリスマスの後 はコメントを受け付けていません

リッチな受容。

コミュニケーションというのは、本当に難しく、奥が深く、無限の世界だ。
常に相手があり、それぞれの環境や背景もあり、すべて自分とは違うのだから、
相手に伝わるようにするというのは至難の業。
どれだけ多くの経験を積んでも、伝えると伝わるとは、違うものだと、改めて痛感することも多い。
そういうつもりじゃなかったのに・・・ということはよくある。
でも、その説明をいくら尽くしても、それ自体が新たな誤解を生むこともある。
言葉は一見易しいが、実は難しい。
同じ言葉を発しても、違うことをイメージするなんてことはざらだ。

今年1年を振り返って、新しい世界との交わりもできた喜びもあるが、まだまだ自分のコミュニケーション力は未完であると思うことしきり。
主張も大切であるが、まずはしっかり受け留め、深く考え、相手が変わることを求める前に自分にできることをしていこうと思う。
上手くいくコミュニケーションの秘訣は、リッチな受容。相手をしっかり受け入れること。ここからすべてが始まる。発信することに目がいきがちであるが、実は受信こそが、お互いの理解のためにより重要。
この年末、こんなことに改め気づいた次第。

言葉でいうのは簡単であるが、本当に相手を動かすというのは、万人には通じないことが多い。
ハッピーコミュニケーションを目指す。そこを向いて、工夫と改善を続けよう。
謙虚に、感謝の気持ちをもって。しっかり受けとめた上で伝える。
それでも伝わらなければ、悔いなし。
今日、世界はクリスマス。楽しいコミュニケーションで町があふれますように。

カテゴリー: Essay (Word) | リッチな受容。 はコメントを受け付けていません

現金払いでお店を応援!

知人が経営する飲食店。立地はさほど良いとは言えないが、大学の近くにあり、学校関係者はじめ、地元の人を相手に地道にがんばって信頼を得て、常連さんの店として営業を続けてきた。
でも、立地がそんなに良くないのと、学校のカレンダーに客数が左右されるため、少しでもと思い、年末の会食の連絡をしている。3か月ぶりの連絡だ。
すぐメール返信がない。1日待っていたら、返信が入った。
実は先月、店を閉店したとのこと。へ?寝耳に水だ。前回お会いしたときは、がんばるしかないっすね。とやる気満々でおられたのに。
続くメール返信によると、10月の消費税増税の絡みでカード払いの還元策によりカードで払うお客さんが増え、現金収入が激減してしまった・・その影響とのこと。確かに、5%還元といわれれば、お客さんはそうするだろう。そんなPOPが店内に掲示しているなか、カードがあるのに「現金で払おうか?」というお客様はよっぽどだ。私は知り合いの店の場合、あるいは小さなお店の場合、「本当はどっちがいいですか?」と聞くが、聞かずにカードで払うことも多い。
とにかく、カード払いが増えた結果、お店が閉店においやられるという厳しい現実。
でも、救いはその店主は前向きでおられるということ。
「借金返したら、またやりますんで。絶対やりますんで、そのときは声かけさせてくださいね。せっかく応援してもらっているのにすみません」
とのこと。もちろん、これからもとことん応援する気持ちは変わらない。

小さなお店を応援しよう。そうしないと、いいお店がなくなってしまう。
カードはお店には負担である。現金商売がいいお店には、ぜひそう応援して
いかねば・・。


カテゴリー: Essay (Word) | 現金払いでお店を応援! はコメントを受け付けていません

オンナそれぞれの働き方。

ある紙面の企画にと、オンナ4人が集まった。
テーマは「働き方」について。
と書くととても唐突であるが、「働き方改革」とどこやらが
しきりに言っているが(いつもどおり、口だけ改革?)、
実態はどうなのか?とくに女性にとって、仕事とは?働くとはどういうこと
なのか?についての意見交換のための半時間。
いうまでもなく、人それぞれの生まれ育った環境にもより、その仕事観は異なる。今同じ職場で同じ部署にいても、仕事への考え方がまさに十人十色、百人百色である。
何度も転職をしながら、会社づとめをしている人。結婚や出産を機に、働き方を見直しながら、今は子育てもひと段落、もっと仕事へという時期の人、あまりにハードな職場で体調を崩し転職し、新たな職場での仕事も楽しくなってきたかなというう人・・。私から見れば、それぞれがいきいきと仕事をし、またプライベートも充実されている様子。
そしてみなさん、定年まで同じ職場にいるか?についての見解も一致しており、想像どおり男性とは違う仕事の仕方、とらえ方をしていると実感。
収入はもちろん重要であるが、まずは仕事が楽しい、と思えることは大切。
そういう意味で、楽しく働いている人は幸せ。でも、楽しくするのは自分次第。
終わりを決めるのも自分。どうやら敷かれたレールどおりに進まないのが、オンナの働き方?生き方?のよう?が今回の私なりの結論のひとつ。一般には違うかもしれないが・・。

カテゴリー: Uncategorized | オンナそれぞれの働き方。 はコメントを受け付けていません

リハ中のリクエストに。

父が入院する病院にあるグランドピアノを見つけ、コンサートを行うことになった。3月初めの開催ではあるが、一度、どんなピアノなのかを確認しておきたい。と、そんなことで、年末の土曜、許可をいただき、30年もの間病院のロビー奥に鎮座する立派な木目のグランドピアノを触らせていただく。クラシック、日本の曲、ジャズ、タンゴ・・・どんなジャンルに合うかは、ピアノの音色により変わるため、先に触っておくことは重要だ。触った上で、演奏曲目を検討する。また鍵盤の硬さや響き方によっても準備も心構えも変わる。
同じピアノは世の中にひとつもない。

こちらの名器は、とても滑らかで弾きやすい高級ピアノ。
調律もこまめにされているようで、よく音も出るため、演奏会にも適している。
ずっと弾きたいけれど、係りの人に申し訳ないので、
そろそろ試し弾きをやめようかと思ったら、

ピアノの前にある院内のカフェスペースからおひとりの男性が近づいてこられた。

「あの、リクエストやってくれるかな。」
「今日は、リハーサルで、コンサートは3月ですが」

「いいやん、リハーサル中でも。あれ、クロード・チアリの『禁じられた遊び』弾いてくれる?」
と言われ、瞬間、クロード・チアリと、リチャード・クレイダーマンが
重なって??となったが、曲名からメロディはすぐ浮かんだ。
「じゃ、特別に・・」
ということで、半世紀も弾いていない、懐かしき『禁じられた遊び』を
弾き始めた。弾きながら、ああ、クロード・チアリはギタリストだったと思いだした。
曲が終わったら、その男性から拍手。
「ありがとう、素晴らしい、ありがとう」
お客様は喜んでおられたご様子。
リハであろうが本番中であろうが、お客様にとっては、今日、今がライブなのだ。弾ける曲をリクエストされて良かった。失望させるのが、嫌だ。

このピアノでの初ライブ。父も聴きに来られたらいい。
春に向けての活動準備をひとつひとつはじめていこう。



カテゴリー: Essay (Word) | リハ中のリクエストに。 はコメントを受け付けていません

「果て」で出会う感動。

京都の冬は寒いから、観光客は少ない。
と思っていたのは、ふた昔前の話か。
温暖化の影響もあり、過激なインバウンドのせいか、季節を問わず
訪れ続ける人たち・・・。
京都の町は変わってしまった・・・と嘆きたくなることが多いなか、
今回は京都らしい時間を過ごせる瞬間に出くわした。
寒い、天気の悪い、今にも泣き出しそうな空の12月。まだお店も
開いていない早い時間。9時ごろの嵐山。
まだ観光バスも、団体客もたどり着いていない時間帯。
久しぶりに渡月橋を手前から見る。
ああ、少女時代から憧れであった京都の代表的な顔。
20年前に、この近くで海外のマーケッターたちとの会合を開催し、
京都はなんと素晴らしいと感謝された貴重なひとときが頭に浮かぶ。
そして、渡月橋と反対側に歩き続け、竹林に向かう。
ああ、京都の嵯峨の竹林・・。ああ、こんな世界もあったのだ。
続く竹林を外国人観光客が撮影しながら歩いている。が、まだ少ない。
こちらも楽しみながら歩ける空間・・。
あまりに懐かしく、昔のままの京都に触れ、
やっぱり感動には静けさが不可欠だと実感。
明治から昭和にかけて、大活躍した大スターの邸宅跡・庭園も
歩いてみる。
大スターがなぜここに庭園を造ろうと人生をかけたのか
わかるような気がする・・。

と、京都は果てで楽しめる。

時間の果て、場所の果て・・。

真ん中ばかりにいては、見えないものが見えてくる。

カテゴリー: Essay (Word) | 「果て」で出会う感動。 はコメントを受け付けていません

京都人の言葉力


京都の仲間は、東京の仲間と一味違う空気感がある。

東京ほど、バタバタしていない。
どこかゆるやかな、余裕というか、ゆったり感。

それは言葉のせいかもしれないが、

京都の人と話していると、なんだかちょっとこちらものんびりする。

最近、よく言われるのが

「からだ、きいつけてな」
との言葉。
京都弁、関西弁は人情の言葉かもしれない。
だから、多分、好きなのかもしれない。

コミュニケーションをとるうえで、最も大切な言葉。
京都の人は、どうすれば相手が気持ちいいのか、安らぐのかなど
わかっているのかもしれない。

同じ意味、同じ思いがあっても、
表現でこんなにも変わるのだ。

いろんな意味で、京都はやっぱやるな~。

言葉で人がうらやむ、方言はあまりない。

夜、市内のお好み焼き屋に行く

「おいでやす」

という歓迎のことば。
「いらっしゃいませ」に慣れているため、大変新鮮。
京都は、第一印象から、一枚上手だ。

何かと人の上をいく・・・。
京都のおもてなし力のもとは、言葉か、と再認識する年の瀬。

カテゴリー: Essay (Word) | 京都人の言葉力 はコメントを受け付けていません

距離とコミュニケーション

親しい人、とくに家族となると、遠慮なしの素っぴんコミュニケーション
になることも多い。
仕事関係や、知人とは冷静に会話ができても、気の置けない仲間は真剣に
ぶつかりあってしまうことがある。

人間は不思議だ。
親しき間にも礼儀ありであるが、家族というのは、根底に何か絶対に
切れない、暗黙のゆるしがあるのだろう。
だから、感情のままに思ったままを口に出すことがある。
あとで反省もする。
辻褄があっていなかったり、矛盾を感じることもあるが、それでも、
ぶつかり合うこと自体に悔いはない。
距離が近い人とのコミュニケーションはとても濃厚だ。

ひとりやふたり、周りにそんな人がいるのも悪くない。

真剣に向き合ってくれる存在はありがたい。

でも、どんな相手でもほどよいコミュニケーションは不可欠だ。

互い、人格がある。

どんなに言い合っても、ぶつかりあっても、
赦しあえる、気の置けない間柄。この関係性、存在はありがたい。

カテゴリー: Essay (Word) | 距離とコミュニケーション はコメントを受け付けていません

与件の中でベストを尽くす

どんなことにおいても、与えられた条件がある。それは経済的なこと、環境的なこと、物理的なこと、時間的なこと。

全てが十分に与えられることは、ない。

例えば、あるテーマについて、5分で話してほしい。というリクエストがあるとする。短い時間だから簡単。ということは絶対になく、短い時間であればあるほど、凝縮しなければならず、どうすれば良いかと大変悩んだりする。

仕事以外でも、自分が生きる全てのプロセスには与件がある。その中で最高のパフフォーマンスをすること、成果を出すこと。そのためにはそのケースごとにしっかり対象を見つめ、その人たちに響く、伝わる手法を取らねばならない。

与件。個別の仕事に限らず、自分という存在に与えられている与件を時に振り返ってみると、取り組むべき命題について、より明確にすべきことが見えてくるかもしれない。

カテゴリー: Essay (Word) | 与件の中でベストを尽くす はコメントを受け付けていません