ピアノを弾きに行くまでに1時間以上をかけての移動。
その時間、距離は別段遠いとも思わないが、
この暑さには、めげそうになる。
出発するまでに、相当の気合が必要になる。
「今日は、行くぞ!」
始発の電車を目指して出発する。
いわゆる「朝レン」である。
そう、学生時代の朝レンと思えば、自分だけ怠ける
わけにはいかない。
正直、次のコンサートまで日があくと、わざわざ
練習に行くのは少し後回しになりがち。
それはよくない。毎日でもと思うが、
わざわざ往復二時間半の移動を毎日は難しい。
とにかく行けるときは行く。
ピアノに向かってしまえば、たちまち来た
苦労は吹っ飛ぶ。別世界になる。
暑さとの格闘は、自分との格闘に変わる。
少し怠けると、指の動きは正直、劣る。
バレリーナとピアニストは毎日練習をしないと
いけない。と子供の頃にたたきつけられたのに、
今は全く実行できていない。
もどかしい指の動きに、つい、
最近見た、若手の演奏家のなめらかな指の動きを思い出し、
悔しい気持になる。
毎日何時間も練習している人に比べたら、なんだこの演奏は。
「こんなんで いいんかい」
自分に言う。いいわけはない。
暑さが怖く、長時間の演奏もままならず。
気温が上昇するまでには、また移動せねば・・・。
そっちも気になる。
「こんなんで、いいんかい」
自己否定をくりかえしながら、それでも
しばらく弾き続ける。
ああ、もっと集中してゆっくり弾きたい。
早く、秋になってほしい。
と練習不足を、季節のせいにしている。
弾きながら、もし、ここで地震がきたら・・と
想像した。
ピアノは永遠にあるとは限らない。
地震が来たら、壊れてしまうかもしれない。
弾けなくなるかもしれない。
「こんなんで、いいんかい」
よくない。
でも、やっぱり暑さに勝てず、ほどほどで引き上げる。
気になっている楽譜は持ち帰る。
時間があったら、黙読しようと暗譜しようとは思う。
弾かないよりはまし。
朝レンに行くだけまし。
うまく継続練習できるように生活設計を考えねば。
「こんなんで終わっていいんかい。」
いいわけがない。
弾ける曲で甘んじているのではなく、
弾きたい曲がちゃんと弾ける、自分の作品として
仕上げていかねばならない。
暑さとの戦いは、まだまだ続く。
こんなんで、終わらないぞ!
わが道は、課題でいっぱいであるけれど、
無茶せず、ひとつづつ。