バラードな人生を生きたい

「バラード」という言葉は、子供の頃から知ってはいる。
大人のイメージがあるため、背伸びしたような感じで、
憧れをもっていた。
クラシックではショパンなどが有名であるが、中世フランス
などで歌われた抒情詩のスタイル「バラッド」。それが
バラードのルーツとも言われている。詩の世界はよくわから
ないが、韻を踏む形であったようなので、音楽に近い表現だった
のでは?と勝手に想像するが、とにかく抒情的、感情豊かな
表現の形式が、広義のバラードではないかと思っている。

とくに愛を表現する詩的な、美しい旋律とリズムを聞かせて
くれる・・。私にとっては、そこがバラードの魅力。

もちろんショパンのバラードも素敵であるが、難しい
技術が必要な音楽だけでなく、日本の歌にも素敵なバラードは
多数ある。
私が好きな歌のジャンルのひとつは、まさにバラード。
もちろんジャズも、シャンソンも、ファドも、時に演歌も
いいが、バラードは最近、心に沁みる。

なぜか、聴いていると、その情景がくっきりと浮かんでくる。
まるで映画を見ているような、もしくは自分がその世界に
いるような、主人公になったような気持になる。
情感豊かなメロディとスローなテンポで刻まれる伴奏が
自然と心の中に入ってくる。

幼い頃、若い時代には、バラードの曲の歌詞をよく聞き、
意味を理解して歌を歌うということは難しかったが、
今は違う。
メロディに乗せ現れてくる言葉ひとつひとつを
しっかりと心に刻むことで、情景が浮かぶ。
そして、物語が見える。

そんな世界を届けてくれるバラードが
とても気に入っている。

とくに、昭和40年代に爆発的にヒットした「雨のバラード」。
あるきっかけで、ここのところ、集中的に聴き、覚えるように
している。
ああ、こんなにいい曲だったのかと、何十回も聴きながら
自分なりにドラマを楽しみ、感動している。
湯原正幸、尾崎紀世彦の違う声質で、違う場面が
浮かんでくるから、歌手と言う表現者の仕事も
奥が深い。
また湯原正幸の現役ぶりも見事で、歌手とはカッコよく
なければならない、そして人々に夢を与える職業なのだ
ということを教えてくれる。
老いを感じない声も、歌いっぷりも素晴らしい。
そして、布施明が歌うバラードもとても心に響く。
言葉を大切に紡ぐことが、バラードを歌うコツなのだと
学ばせてもらっている。

バラードは人生の物語を紡ぐかたち。
ぜひ、バラードが似合う人生にしたい。

人生に、美しい物語を残したい、刻みたい。
と思う年齢になったのかもしれない。

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