
地元の堤防に並ぶ桜の花が、順番に咲き始めた。
ソメイヨシノが咲けば、満開か。
1週間前から、自治会の皆様のご尽力で川の両岸に提灯が吊るされ、いつ咲いても
いいぞ!と町ぐるみでスタンバイ。
今日はどれが咲いたか?と散歩しながら立ち止まる花見人も増える。
ここに並ぶ提灯には地元有志の名前、商店、企業の名前。
いずれもご近所の方々。馴染みの名前も多い。
父の名前の提灯を今年もみつけ、まだあってよかったとホッとする。
提灯に書かれた各名前。世代交代した店も、閉店した店も、旅立った人の名前
も・・・。毎年、増えているかもしれない。
桜の木とともに、ずらり並んだ提灯を見ながら、いろんなことを思う春。
この堤防の桜が満開になるころ、母が旅立った。
毎年、ここを通ると、当時のことを何度も何度も思い出してしまう。
今年もそうだ。少し遠のいていた記憶が、瞬間に蘇り、頭から離れなくなる。
まもなく、5年になる。
春はすべてが始まる、心新たにわくわく・・のはずなのに、
春なのに・・・の寂しさも、静かにこみあげる。
桜は咲いて、やがて散る。
満開の花はやがて、ひとひらごとに風に舞う。
桜は、人を追いかける涙のよう・・・。
追いかけても追いかけきれないまま舞いながら、流れていく。
桜は春の歓びも、哀しみも誘う。
佇んでいると赤い電車が通り、桜の中で映え、束の間の花電車になる。
人は代わっても、桜も電車も変わらずに在る・・・。
春なのに、お別れですか・・・そんな歌が頭のなかで何度も流れる。
来週はさらに華やかになるだろう。
今年もやってきた、悲喜こもごもの春。
