マイステージを探す旅

下北沢と京都。どちらも演劇の町。
前者は全国から役者を目指して上京した役者たちが、夢を求めて
表現する町。NYのブロードウェイとは規模は違うが、スターを
目指す人たちが挑戦する町。駅を降りるとわくわくする、独特な
空気は今も昔も変わらない。ちょっと非日常な町。

京都は学生時代から劇団で活動してきた人達が、社会人になっても
変わらずに、自分たちらしい表現を求めて創造を続けている・・
そんなイメージだ。「学生の時からやってました!」という会話を
よく耳にする。演劇やってた学生が、すっかりおじさんになって
いる。でも、その当時からの熱い思いは変わらぬままだ。
と、そんな人が身近にもいる。

下北沢も京都もそれぞれ素敵だ。
また、それ以外にも各地に劇場はあり、その土地ならではの
雰囲気もあって、作品の印象も変わってくる。
そういえば、以前、長野の上田まで出向いて、演劇の演奏を
担当したもことがあった。今も、その時の舞台と
そこにあったアップライトピアノが浮かんでくる。

新しい劇場も快適であるが、ちょっと不便でレトロな洋館での
上演も、建物自体が演出に一役買ってくれそうな、そんな良さもある。

ずっと、自分の新たなステージを探し続けている。
新宿のお店はコロナで閉店してしまい、京都のお店ももう
世代交代となった。
そんなこんなで、新たなステージ探しはずっと課題のまま。

昨日、足を運んだ京都の築90年の洋館。へえ、こんなところに。
演劇を観ながら、ここでコンサートをしたらどうだろうか?
とイメージを続ける。

演じる、表現する内容と会場。コンテンツとステージ。
まさにソフトとハードの両者が一体となって、素敵な作品と
してお客様に観て、聴いていただける。
そう、料理と器の関係と同じだ。

「ここでやりたい。」
という場所に、まだまだ出会いたい。

次に予定している、長崎も申し分ない、最高のステージだ。
あそこも「ここでやりたい!」と出会えた空間。

ブロードウェイの舞台に立ちたい。
カーネギーホールで演奏したい。
と、これらは憧れの世界ではあるが、
今は手が届く、小さな夢をいくつか実現したい。
華やかだけがステージではない。

生み出す人、演じる人。伝える人。
演劇は多くの人の力で作品が完成する交響曲のようなもの。
私の場合は、ピン!ソロである。
それぞれに合う、ステージがある。

ここでやりたい!
ステージ探しの旅を、これからも続けるとしよう。



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