出会いに強い人と

その人の名前は「強」さん。
いろんな「つよし」があるけれど、この漢字のお名前は
これまで一人しかお会いしていない。

その強さんに初めて出会ったのは、24年前の9月11日。
そう、アメリカに向かうユナイテッド航空の機内。
といっても成田を飛び立った時は知らない人。
たまたま隣の席に座っていた人だった。
何も起こらなければ、そのまま知らない人で終わったが、
非常事態になって突然「何がおきたんでしょう?」
と会話したのがはじまり。

あのニューヨークの同時多発テロの影響で飛行機は
目的地に飛ばず、アラスカのフェアバンクスへ緊急着陸。
ともにフェアバンクスでの待機時間を3日間一緒に
過ごし、夜になれば、なんとオーロラの空を一緒に
見上げた仲間。

いつ思い出しても、わが人生最高の、絶対に忘れる
ことのない時間。

その強さんから、突然メールが届いた。
「デスクを整理していたら、あのときの航空券の半券が
出てきて・・」私を思い出してくださったのだ。
余りの懐かしさがこみあげる。
来年であれから四半世紀。一緒に過ごした仲間も今は
消息不明だったり、すでに旅立った人も・・・。
そんななかで、強さんと再会。

15年ぶりほどの再会。
最初は懐かしさがうれしく、当時の話をしていたが、
話題はどんどん発展して、マーケティングのこと、
DNAのこと、地球のこと、その方のヒストリー、
信仰のこと・・・とにかく久しぶりの再会を待って
いたかのような話題の連続で、話しはつきない。
また、当時より年を重ねたせいか、深い話もしみじみ・・・。

十分有意義な時間をいただき、別れるときに
またお会いする約束をし、固く握手する。
「この再会は何でしょうね」
「不思議ですね」
「何か意味があるんですよね」

テロがなければ、あの飛行機に乗っていなければ
隣に座っていなければ、この出会いはなかった。

もしかしたら、出会いに強い人なのだろうか。
過去の出来事、人が、ひょんなきっかけで
再び蘇り、さらに未来につながる関係になる
のかもしれない。

人には出会う力があるのかもしれない。
強さんとの再会で、強く感じた。







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