今回の選挙を横目で見ながら、改めて時代の変化と「コミュニケーション」
について考えていた。
政治は言葉の仕事である。伝える仕事だ。伝わらなければ、何の交渉も
改革もできない。
選挙はその手前のキャンペーン。選んでもらうための、期間限定の活動。
結局、ターゲットにより伝わった人が選ばれることになった。
いつもマーケティングコミュニケーションや広報に関する勉強会で、
「AIDMA」の法則はもちろん、SNSが主流になってきた頃から「AISAS」
の必要性を説明してきた。いずれもすでに多くの方たちが学び、活用
してきている考え方であるが、今回の選挙でもまさしく、やはりと
思う結果となった。
まずは、「見た目」である。第一印象。インパクトのある元気のある、
見ている人も思わず、引き込まれるような力。ワンフレーズで
わかりやすい言葉で発信する。ATTENTION
そして、なんだなんだ。なんだか良さそう、もっと聴きたい。INTERESTING
そして、そうそう、それがしたいんだ。期待できるんじゃない。DISIRE
いいね。そうだね。演説聞きに行こう。と拡散。SHARE
そして投票へ・・・。ACTION
まさにこの流れどおりに人々が動き、票を集めた。そして躍進した党たち。
まさに戦略どおりに、戦術(ツール)を駆使して、結果を出した。
発信されている内容自体については、ともかく、コミュニケーションの
うまい人が、党が今回の戦いに勝ったといえるだろう。
もう、派閥だの、見えない組織だの、裏表だの・・・特権的なやり方は
支持されなくなったのだ。
これはこれでよし。
「ポピュリズム」。
SNSの力が、大衆の力となった。
ここから、さらに混迷の時代が進むと思われる。
次は、大衆と「個」について注視していく必要がある。
そして、一見わかりやすい言葉が誤解を生み、傷つく人、差別される人
が増えないように。
わかりやすさ・・だけでは、本当はうまくいかない。
しっかり伝える努力も同時に必要であるから。
選挙はまさにキャンぺーン。
これが終わったら、次はしっかり落ち着いて丁寧に伝えていく
活動が求められると思う。
ここからが、本当の政治の仕事。
選挙は入口を決めたに過ぎない。
と、今回のことを静かに見守る。
それにしても、マスメディアの役割も考えさせられる
キャンペーンであった。
目の前に起きていることを、しっかり見続け、真実を
見極める力。
流されず、自分の意志をもって、責任をもって生きる。
今、ひとり一人に課されている課題はこれではないか。
と