中学生時代、夏の自由研究は、ベートーヴェンの一生を自分なり
にまとめるというものだった。ホワイトノートを用意して、1冊の
本にした。それは今も保管している。
当時は、各家庭に普及していなかったエアコンがあるだけで
毎日通った県立図書館で、そこにあるだけのベートーベンの
本を借り開いて、写真のページはコピーをとり、テキストの部分は
手書きで写しながら、自分なりにまとめた。
今もセミの鳴き声とともに、当時の様子を断片的に思い出す。
ずいぶん、久しぶりな行為であるが、今回少しだけ似たことを
やってみた。
尊敬するアストル・ピアソラについて。資料は決して多くないが
見つけた文献を開いて、最初はスマホのメモに記録していたが、
果たしてあとで見るか、頭に入るか?と思ったとたんに中止。
買い置きしてあった新品のノートを取り出し、
読みながら覚えていたい箇所を、書き写していった。
不思議なことで、書き写すと安心感がある。
なぜかスマホのメモ機能に入れるときとは、感覚が違う。
自分の手で文章として書いていく行為自体が、記憶につながっている
のか。スマホに記載するときは、センテンスというよりはワード。
でも、手書きにするときは、センテンス~文章で書き残す。
ということで、オンラインでしか読めない何冊かの雑誌の特集から
ポイントをしっかり書き写したら、とても気持よい。
久しぶりに本を読んだという読後感。
そして、書いたノートを開いて復習をする。
書いた文字に「いのち」が吹き込まれた感じがする。
文字が自分のものになった感じがする。
手書きはやはりいい!。
夏の小さな宿題の第一章を終えたとちょっと安堵。
実は仕事の現場では、聴きながら話しながらメモをしながら
という同時の行動で、頭に手元が付いていかないチグハグ感を
不安に思うことも多いが、読書や自分との対話においては、
ゆとりをもてるせいか、頭も手先も同時に動ける。
ピアソラノート。
さらに違う文献をみつけ、さらに書いていきたい。
いつか、自分なりのまとめ方をしたい。そして表現に活かしたい。
新たな世界の創造のための一歩だ。
そのために、頭と手先を使いながら、吸収していきたい。
そんなわけで、時にアナログな時間を選び取るのが良い。
AIに聞くではなく、1冊の本に向き合う。一曲に向き合う。
そんな時間をもっともっと、とること。とれるようにすること。
書いた文字は「いのち」。
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