ロマンと説得力を学んだ日々。

20代の頃から、お世話になっていたマーケティングの
国際組織MCEI。
実務家たちの学びと交流の場として、国内は東京と大阪、
そして海外では台北。そしてEU、オーストラリアにも
そのネットワークを持っていた。
ニューヨークにルーツをもつ組織。1954年に活動が始まっ
たというから、すでに70余年の歴史。
この由緒あるネットワークの一員として学ばせていただいた
経験は、今日の自分にも大変役立っており、感謝しかない。
ここで出会った方たちとのおかげで、現在の自分がある。
素敵な先生、経営者、自分と同じく実務を担うマーケッター・・・。
いろんな出会いがあった。そこからチャンスも広がった。

約60年前に、このアメリカ生まれの最先端の活動を日本に持ち
込んでくださったのがマーケティングの実務家たちの「師匠」
であり続けた水口建次先生。
もうお会いすることはできないけれど、多くのメンバーが
今も、水口先生のことを尊敬し、いただいた叱咤激励を胸に
頑張り続けている人も多い。もっとも定年された方たちも
増えてきたが・・・。

久しぶりにこの会が発行する会員たちの執筆による提言集を
読み、マーケッターを目指していた若き日の自分を思い出し、
時代は変わっても、常に世の中には、多様な市場が生まれ、
そこに向けてのマーケティングが存在し、それを担う
マーケッターがいることに改めて興味を抱いた。

何を扱うかにより、その人が見る世界は違うけれども、
普遍なる課題がある。
それを一緒に語り合って、ヒントにしていた時代。

そんな場をつくってくださったのが、水口先生だった。
とにかく、ロマンがあり、使う言葉にセンスがあり、
そして説得力があった。
その話を聞けば業界を越えて、みんながそうだ!と
共感できるメッセージがあった。

毎回、それを聞くのが楽しみで勉強会に
多くの人が集まった。話し方も、出てくるワードも
聞く人の心をわしづかみにし、共感と勇気を与えた。
それは先生自身が、抽象的思考力をもっておられた
からなのだろう。業種業界が違っても、多くの人が
感動し、共感し、そこから再出発した。

当時20代だった私は、マーケッターとしてはヒヨッコ。
それでも、説得力ある言葉を浴びながら、
なんだか、わかったような気持になって、
高揚感をもって、走り続けたあの頃。

ロマンと説得力。
学んでいた当時は気づかなかったけれど、
今になったら、それを学んでいたことに気づかされる。

仕事にはロマンが必要だ。いいかえれば夢。
そして、それをやるんだ!
やるんだという気にさせる説得力。
伝える仕事にはそれが不可欠だ。

そんな熱い人に最近出会うことが少なくなった。
今、先生は空の上から、今の世界を、日本をどう見ているだろう。

と、共通の仲間との話題から、先生のことを
久しぶりに思い出した。
「今尾、がんばっとるか?」
ヒヨッコであった自分は、よく言われたなあ。
「はい、おかげさまで!」
今の自分なら、先生とまともに会話ができるだろうか。
今一度、「マーケティング戦略の実際」を読み直したくなった。

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