真のお手本。

報道で何度聞いても、読んでも、その瞬間に心が洗われ、背筋が伸びる人がいる。
中村哲さん。
お会いしたことはもちろんないけれど、生前からこんな人が本当にいるのだと
同じ日本人として誇り高く、心から尊敬できる方であった。またなんとも無念な
最期となり、亡くなって数年の歳月が経った今も、その存在は薄れることはない。
むしろ、戦争がつづく今だからこそ、中村哲さんの生き方、生きざまが、
心に改めて強く深く、刻まれる。
仕事とは、人生とは、いのちとは・・。生きる上で、意識しなければならない
大切なテーマについて、多くのヒントをいただける。
また、人は「死して、残す」存在なのかなとも思えてくる。
「いかに生きたか」このことが、今を生きる自分たちに貴重なヒントになる。
一人の尊い人生は、次代へのメッセージになるのだ。ということを教えられる。

とにかく、尊い存在である。
アフガニスタンという危険かつ不安定な地域に自らの拠点を移し、医師として
現地の人々のいのちを救う・・だけでも、素晴らしいのに、水不足の環境では
人びとは生きることはできない、水さえあれば・・ということで、現地の皆さん
とともに、水路を建設。医者がインフラにまで関わり、自ら先頭に立って、
活動をする・・・。そんな人、世界中を探してもいないだろう。

世界情勢に惑わされず、自分のまわりで困っている人がいたら、何ができるかを
考えて、行動すること。
戦争なんかしている暇はない・・・。

いろんな名言が残されているが、ほんとうにすべてがごもっともで、
一言一言に共感すると同時に、感動を覚え、さらに、自分は一体何をしているんだ
という気持ちになってくる。
中村さんだから・・他人事ではなく、自分にもできることが何かあるだろう。
という気持ちになってくる。

純粋な心で。ほんとうに困っている人のために自らできることをする。
中村さんの発想、決断、行動。そしてそれを支える隣人愛のこころ。

年末。何ができるかと考える。
何もできていないに等しいけれど、世界に惑わされず、自分の世界のなかで
必要と思うことをし続けよう。

それにしても、中村哲さんは素晴らしい!
どこか、マザーテレサに通じるものを感じるのは、わたしだけだろうか。


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