コミュニケーションとはまさに織物を織るような仕事、
営みであると思う。
縦糸、横糸それぞれがうまくきれいに絡んで、1本の線が
面になり、ひとつの世界を創り上げていく。
どんな柄、どんな色の織物をつくりたいか?
作家はその出来上がりを想像しながら紡いでいく。
その作業をすすめるには、それぞれの糸がきれいに整えられている
ことが前提だ。
この織物を組織に例えてみる。
働く人それぞれは糸。そのいろんな色、太さの糸が絡みあって、
ひとつの織物ができる。
織物は商品であり、企業そのものである。
糸がほつれたり、切れやすかったり、あるいはへんな絡まりに
なっていると、その糸自体をきれいにほぐし、使えるように
する無駄な作業が生じる。
仕事を気持ちよくすすめるために、ひとり一人が
重要な1本の糸であることを意識して、お互いを理解し、
いい仕事が一緒にできる状態をそれぞれが心がけたい。
そのためには人間関係が大変重要。
糸がほつれたり、ぐちゃぐちゃになっている状態をほぐす
そんな仕事もときにあるが、この絡まりを直すには
ときに時間がかかり、手間もかかる。なかなかほぐれない
こともある。
そうならないように、日ごろからお互いの糸を理解し、
お互いに一緒に仕事をしていく仲間であるという
意識を持ち続ける努力が不可欠だ。
関係のちょっとした異変にも心を配り、
気づいた段階で、すぐに対応。
織物を織ることは、折り合いをつけていくことでもある。
織りやすい、織られやすい糸とは、
社会を意識して、協調していける存在ということ。
へんな絡まりができないように、日ごろから
の関わり方を意識したい。
いいところを認め合う、感謝しあえる。
これがあれば、へんなもつれはなく、
いい仕事ができ、素敵な織物ができるだろう。
出来上がりの作品を一緒に思い描いて、それに向かって
自分の仕事を進めること、役割をまっとうすること。
その背中を押し続けたい。
いろんな経営者、管理職、スタッフの皆さんの
顔が浮かんでくる。
織りやすい、織られやすい糸。
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