同じ風景を見る。

働く人との面談機会をいただくことが多い。
1日に数名、日によってはもっと多くの人との時間をいただく。
経営者はもちろん、管理職から一般社員さんまで。
年齢も職種もさまざま。
何度も面談を重ねてきていると、その人の性格や特徴も
覚えてきて、それぞれに向き合った問いかけができる。
人に寄り添う仕事が好きな自分としては、うれしい
仕事のひとつでもある。

〇ハラという言葉が日常的に使われるようになった。
これは、メディアの責任でもあるという人がいて、
ある意味納得もする。
言葉が流行ると、人々は、それを権利のようにして
使うようになる。
言葉が社会現象を生み出すことがある、一例かも
しれない。
言葉が社会を変える。言葉の力はある意味怖い。

たとえば、
ある人は、〇ハラを受けたという。
それには相手がいるわけで、その相手の人は
それをした人。ということになり、周囲からレッテルを
貼られてしまうことがある。

そんなことについて、打ち明けられることもある。
声を上げる人の苦しさもあるが、
あげられた人の言い分もある。

両方の立場の話を聞くことが必要だ。

最近、いろんな人と会話を重ね、本当にそれぞれの
言い分があるということを痛感する。

それぞれ、違う背景をもち、価値観をもち、
仕事をする。
人生や、仕事への向き合い方もそれぞれだ。
自分の価値観と違っていても、
そのそれぞれに寄り添うこと。
相手が見ている風景と同じ風景を見るようにすること。
そうすることで、相手は心を開き、さらに打ち明けて
くれる。

人は打ちあけることで、共感を得ることで、
自信をもち、元気にがんばれる。

自分のような、どの組織にも属していない人間は、
いろんな立場に寄り添うことができる。
また、中にいると言いづらいことも、伝えることも
できる。
だから、活用してもらえたらうれしい。

人は「ここだけの話ですよ」と、話したいときが
ある。
約束は守る。個々との信頼関係を大切にする。

とにかく、その人が見ている風景と同じ風景を
見るようにすること。
すぐその世界が描けること。

それが、コミュニケーションクリエイターの
仕事のひとつ。

それぞれの人生を、応援したい。
これしかない、この人しかダメ。
とくに仕事においては、組織においては、
上に立てば立つほど、「ダメ」は禁句としたい。

ご縁をいただいた以上、ひとり一人が最大の
能力を発揮し、助け合って仕事をして
もらえることが、企業にとっても、
いい結果をもたらすはず。

孤立や不安、疑問を減らす。
解消する努力をする。

相手と同じ風景を見る。
これには、想像力が重要だ。

人間だから、できることだと思う。

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