人の心を掃除してくれたり、満ち足りた気持ちにさせてくれたり、
いろんな物語を見せてくれたり、生きる力を与えてくれたり、
音楽の力は、本当に偉大であると実感する。
子どもの頃からも無意識にそれを理解していたはずであるが、
年を重ねると、作品が生まれた時代や作り手の背景なども見えて
より深く理解できる。
子どもの頃は、「うまい、上手、すごい」という技術面への関心と
きれいな音色への感動であったが、今は、音色が自分の内面に沁みて
くる。
美しい音が流れていくだけでなく、生きている自分の鏡のような
存在になって、さまざまな場面を浮かび上がらせることもある。
朝は弦楽〇重奏曲やピアノ、木管楽器などが心身を目覚めさせ、
昼間は厚みのある交響曲やピアノ協奏曲でパワーを得る。
午後になってくると、少し緩めてジャズやシャンソンも良い
。
日々の散歩時間にはその日、なりたい気分に合わせて、
ジャンルを選び、タイムトリップをしながら歩くのが良い。
最近は、気が付けば昭和後半のメロディを選ぶことが多い。
昨日は、たまたま珍しく、研ナオコのアルバムの存在を知り
そのまま聴きはじめる。
すると、中高生の頃、自分が親しんだ頃とは違う感覚が
襲ってきて、驚いた。
当時、子どもだった自分はメロディだけを覚えていたが、
おそらくこれらの曲がヒットしていたのは、
歌詞も、そしてこの歌い手の声、表現力だったのではと
以前は気づかなかったその演奏のすばらしさに心が
動く。
つい、歩いていた足を何度も留めてしまう曲もあり、
心がもっていかれる・・・そんな状況であった。
感動はもちろんであるが、大変勉強になった。
音楽は、人を引っ張る力がある。
テンションを上げてくれることも、
一緒に泣いてくれることも。
勇気を与えてくれることも。
今は会えない人に再会させてくれることも。
音楽の力は、どんな有形の宝物にも勝る。
音楽は愛の、平和の、しあわせのツール。
どんな時代になろうとも、
私にとって、かけがえのない存在。
音楽の力を信じ、私もそれを届ける人として、
成長していきたい。
