もう一つの万博、心新たに。

1970年に開催された大阪万博は、小学1年生の自分にとっても、心
に残る経験となり、今も幼いころの特別な思い出のままだ。
あれから、55年経過した今も、あの当時の日本の発展、成長への
意欲、活気を思い出すと、思わず「あの頃はよかった」と、なつ
かしさがこみ上げる。
あの万博の跡地は公園となり、今も多くの人々に親しまれている
が、そのなかでも大変気に入っているのが「みんぱく」で知られ
る、国立民族学博物館である。少し遠い場所にあるため、頻繁に
は行けないけれど、何度か行き、そのコレクションの量と質に毎
回驚く。そして、世界中からもっと注目されて良い研究の質では
ないかと思うが、内外の評価は気になる。
とにかくあそこに行けば、本当に世界旅行ができてしまうのだ。

久しぶりに足を運び、今は新しい万博で世間が湧いているけれ
ど、こちらの万博も、忘れてはいけないと改めて思った。
私が毎回足を止めてしまうのが、写真の展示物。
ルーマニアのある村のお墓。「陽気なお墓」というタイトルも
興味深い。ひとり一人の人生が見えてきて、こんなお墓である
ならば、あってもいい、入っても良いかもと思えてくる。
これはほんの一例で、世界中のさまざまな地域の人々のくらし
が見えてきて、いながらにして世界旅行ができるのだ。
何度も訪れたくなる前回の万博が遺したまさに、レガシーのひ
とつではと思えてくる。

ある統計によると新しい万博を楽しみにされている方は、前回
の万博を体験している年代の方が多いようだ。
であれば、再び55年前の会場足を運んでみるのも良いし、
前回を知らない人にも、改めて前回の会場跡地にも足を運び
みんぱくも見ていただきたい。
デジタルの時代と対局のリアルな世界が見えてくる。

さらに、太陽の塔も直に見上げてほしい。
あの存在感はいったい?まさに、「芸術は爆発だ!」

やはり岡本太郎は天才だと今回も、あの作品に圧倒
される。
前回のシンボルとして、あの時代の栄華を永遠に思い出させて
くれる。生きる力を今も与え続けてくれる。
そこに観覧車も加わって、私としては、さらにこの風景が
好きになった。

半世紀経っても、1世紀経っても、また足を運びたい。
♪こんにちは~。こんにちは~。世界の国から~。♪
三波春夫さんの声が今も聞こえてくる。

やりっぱなしにならない、しっかり残す。
後も大切にする。
今回の万博も100年後に振り返る知的なものを残して
ほしい。


それにしても、「みんぱく」は凄い!

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