幼児期からずっと吉本新喜劇を見て育ってきた。
お笑いは、その頃から肌身に沁み込み、笑いがいかに人生を支えてくれるかは
吉本や松竹が教えてくれたと言っても過言ではない。どんなことがあっても、人を笑わせるために一心不乱にがんばっている芸人さんは、本当に偉いと思ってきた。
三枚目の役をする人ほど、よく考えて演じており、ご本人自身とは
違う。大人になると、単に面白いではなく、それを演じる芸人の生き方が
気になり、高齢になってもひたすら演じ続ける芸人さんを見守り、懐かしんで
きた。
最近、こちらの業界、いろいろ問題視されているが、真面目に取り組んでいる芸人さんたちは、
そんなことに右往左往するのではなく、それでも今日来てくれている、足を運んでくれているお客さんにどう楽しんでもらうか、笑ってもらうかしか考えて
いないのではと思う。
真面目にがんばる芸人さんを、お客である私たちは好きなのだ。
業界の裏話やいろいろあれど、私にとっては、それでも眼の前に向かう
一生懸命に演じ続ける芸人さんを、ただただ応援したい。
きっと劇場に足を運ぶ、テレビを観るお客さんも同じだろう。
だからこそ、
真面目にがんばる芸人さんたちが、より元気にがんばれる環境づくりを
企業は考えてほしい。経営側も考えてほしい。
業界。これっていったい?
いろいろ思うことがあるけれど、真面目が一番。そしてお客様あってこその
仕事。
これって、芸人も私たちも同じだ。
これを書きながら思い出したことがある。
もう25年以上前のこと。
出張の移動中。どうやら新幹線の中に名刺入れか、何かを置き忘れたようだった。その2~3日後、会社に宅急便が届いた。
吉本興業の経理か総務の社員さんからだった。忘れ物を拾って、わざわざ見知らぬ私に送ってくださったのだ。今となっては、記憶が定かではないが、すぐお礼の電話をしたような・・・。とても気さくな対応をしていただいたことを思い出した。
こんな優しい人がいる会社なんだと思った。そうそう、それが私のよしもと。
どうぞ、初心忘れず、いつまでもお客様ファーストで、世の中を笑いで明るく包み込むそんなリーディングカンパニーでいてほしい。
あの経理の方、今も現役かしら?