この時期は、もののやりとりが多くなる。お中元の季節だからといって、儀礼的に、義務的にではなく、お世話になっている方へ感謝を込めて、その人のことを思い浮かべ、喜んでもらえるようにしたい。
今はカタログから選べる便利な時代。子供の頃に比べたら、限りなく選択肢が広がっているが、できればそこに載っていないものを探すようにしたい。掲載されているものは、誰からでもいただく可能性があるから。
今年、選んだ商品でよかったと思うもののひとつは、岐阜の手作りうちわ。
手作りの珍しい工芸品も(もちろん贈る相手によるが)、とても良い。
また、職人さんにも「こういう人にあげようと思います」と伝えると、より丁寧にラッピングしてくれる。
食べるものだけでなく、季節を快適に過ごしてもらえる道具もギフトに適している。まるで、旅行をしているような、そこに来て涼んでいるような気持ちになっていただけたらと思う。
今年の夏も、新潟の白根というところから、桃が届く。送り主の地元の名産だ。
ああ、新潟のこの季節の味だ。と、心からうれしくなる。
みるたび、ひとつ手にもつ、皮をむく、口に入れる、味わう。そのたびに、贈ってくださる夫妻の顔が浮かび、感謝の気持ちが生まれる。
今回は、それを出張にまで持参し、旅先のホテルでもそんな気持ちで朝、いただく。なんだかずっと贈り主と一緒にいるような感じがしてくる。
ギフトは、まず心。高価であるとか、そういうことよりも、心がこもっていることが大切だ。
夏のギフトとは違うが、この度ポルトガルからスペインへ巡礼の道を旅してきた知人が、その巡礼地で旅人たちが買い求めているベレー帽とピカソのゲルニカのしおりをくれた。旅先で自分を思い出してくださるとは、光栄なこと。
一方、先日、雨の中訪ねた長崎の郊外。いつもお世話になっているシスターに差し入れをもっていったら、お返しにと持たせてくれた、シスターお手製の梅ジャム。「ちょっと酸っぱいけど、無添加だから」と渡してくださった顔を思い浮かべ、早くなくならないようにとちびちびいただいている。そのときも、いつも
シスターの顔を浮かべながら。
贈りものは季節を問わず、心が向いたときに。
大切なことは、贈るときは、相手にとってどうか?の選択。
実は選ぶことは難しい。
そして、いただくときは、その気持ちをしっかり受けとめること。
そしてお礼はいち早く。がいい。贈った人が届いたかなと心配されているから。
そんなこんなで、この季節、いろんな人の気持ちに包まれて、幸せを感じる。