音楽で救われる

日々いろんなことが起きる。それが人生だ。眉間にしわが寄ることも少なくない。生きることへの不安が募ることもある。音楽は自分の大切な仕事・活動のひとつであるが、このイベントの企画や準備には音楽的ではない苦労や悩みがつきまとい、不安になることもある。
しかし、練習をしているときの自分は間違いなく、解放され自由で幸せなのだ。
週末も東京ライブのゲストのバイオリニストと練習。数少ない練習なかの貴重な1回。息が合うのかそれなりに半年ぶり以上のご無沙汰合奏であっても、それなりに響きあっているようだ。
いい音色を聴き、自分も心を込めて鍵盤をたたく、歌う。なんだか幸せの世界がそこに描き出されてくる。2時間があっという間に過ぎる。初見で弾いてみましょうと新曲に挑戦しあうが、それぞれ違う譜面で違う曲を奏で、「どうも合わないですね、あれ?」「それ、違う曲ですよ」「あ、どうも合わないわけですね~」ずっと違う楽譜を見て響きあおうとしている様子がおかしくて、爆笑した。
音楽は私をいつも救ってくれる存在だ。音楽をすることにより見えてくる世界がある。アーチストの孤独な生き方も、創造性も理解できることで人生に深みと厚みと、やさしさを預かっているような気がする。
先日何度も観た「パガニーニ」の映画の中で、主人公が「私は音楽に生きる」と言ったセリフが思い出される。お金儲けも出世も人生の価値のひとつかもしれないが、私はやっぱり心情豊かに生きることを選びたい。そのために音楽は不可欠な存在だ。人は音楽でいきいき、幸せになることができる。

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