8月が今日で終わる。戦後80年の8月。終戦記念日15日を踏まえ、
さまざまな戦後の情報に接し、考える夏となった。
そんななか、茶道家の千玄室さんが14日に102年の生涯を閉じられた。
特攻隊として戦争を体験されてきた千さんが伝えられてきた、茶道
を通じての平和への願いは、改めて多くの人々の心に刻まれたこと
であろう。
千さんが生前話されていた映像のなかで、「和敬清寂」という言葉
が大変印象的だった。なんでも千利休が残された言葉だそうで、
その精神を代々受け継いでこられている、そしてその言葉を時代の
変化に対応しながら体現されてきたその活動、その生涯に改めて
頭が下がる。
この言葉の意味は、
「誰とでもと仲良く、相手を敬い、清らかな心で、何事にも動じず。」
簡単にいえば、そういうことであろうが、それを千玄室さんらしい表現、
京都弁を交えながら、笑顔で若者たちに語っておられた。
ああ、生前にもっと知っておけばよかったという無知への反省もあるが、
偉大なお方と同時代生きることができたことへの歓びも沸き上がった。
茶の心とは平和への伝道の道であることを学び、それを貫かれた
人生を素晴らしいと、心から思う。
今日で8月が終わるが、終戦という節目を決して忘れず、戦争なき日本で
いられるように、そして世界中が平和であるように、願いを込めて
生きていきたい。
千さんのように大きなことはできないけれど、自分もできることを
やり遂げ、平和な社会を目指し続けたい。
「和敬清寂」の心をもって・・・。