長崎の夏。特に1945年以後の夏は、精霊流しだけでなく、原爆の記憶
が蘇る80年となってしまった。それは広島においても同じで、楽しい
夏休み、先祖を迎えるお盆というだけでなく、忘れることができない
残酷で惨い記憶が蘇るあの日、、。実際に被爆された方もだんだん
少なくなり、もう何年もしたら忘れ去られていくのではないか・・・。
それではいけないと被爆地では学校でも市民レベルでも体験を伝えていこう
とする人たちが頑張っておられる。その活動には本当に頭が下がる。
罪のないごく普通の人々が、あの瞬間で、人生を変えられてしまった。
と、ほんの一部の情報を知るだけでも、背筋が凍り、人間って何なんだと
何とも言えない感情が沸き上がってくる。自分の家族が被ばくしたという
わけでもないのに、そのことは他人事ではない。少しでも知っていれば、
関心をもって世界を、歴史をみつめていたら、今の世界にも疑問が湧いてくる。
昨年、ノーベル平和賞を受賞された被団協の皆さんの、その活動を支えて
きた多くの地元の方々にも頭が下がる。
そして、昨日7月7日は核兵器禁止条約の採択から8年を迎えた日とのことで、
原水協(原水爆禁止日本協議会)が、全国各地で本条約への批准を政治に求める
署名活動を行っていた。
そのことを知らず、長崎市内の商店街を歩いていたら、その現場に遭遇。
地域で活動されている方、ボランティアの方々が、最初に「ふるさと」を
合唱してから、それぞれが分かれて、署名活動をされていた。
歌を歌ってからの署名活動とは初めてだ。みなさんの思いがあふれて
通行人の人も一緒に口ずさんでいた様子が印象的。
あまりの熱心さに足を止める。すると、係の方が「署名お願いします。
絶対に集めて、声を届けないといけないのです。」その熱心な様子に
この署名が自分ごとになった。
(あとで調べたらオンラインでも署名活動を行っているようだ)
長崎だから余計にそうだ。
自分の家族や地域の人々が、実際に経験されている。
だから、真剣な取り組みになる。
もう二度と・・・。ノーモア ヒロシマ、ノーモア ナガサキ。
このような訴えの一方、世界では、80年であろうが関係ない
といわんばかりに戦争、紛争が続いている。
人間って何なんだ。
素朴で純粋な人々の署名活動と対極的な世界が、同じ空の下
にあるとは・・・。
最後の被爆国であるように、心から祈る。
人間って何なんだ。
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