歌はメロディーと歌詞。
誰が歌うかにより、声質により、まったく違って聴こえてくる。
声の美しさはもちろんであるが、言葉を大切にしているか
は、歌の完成度に大いに関係する。
とにかく、最近は歌詞を大切に聴き、歌うようにする。
歌を通じ、意味を伝えたい。心を届けたい。
言葉と音が、一つのメッセージとなり、ドラマになる。
である以上、
自分で歌っている言葉の意味がわからないと、伝えることも
できない。
30代~40代に出会った歌手の方。いずれも日本人。
ある方はジャズを唄い、いつも歌詞を見ながら正確に
発音されようとしていた。
ある方はアルゼンチンタンゴを暗譜・暗記して歌われていた。
「自分で歌うんだから、何も見ないで歌うのは当然。そうしないと
伝わらない」と言われていた。
どちらのやり方も正しいのだと思う。
間違えないように歌う。心から歌うためには歌詞を見ていては
ダメ。
どちらもあり。
わたしは、その日に決めたプログラムの歌詞を
一応、手元に置いて、弾きながら歌う。
いずれにせよ、言葉は一言づつ丁寧にと心がける。
意味を伝えたいから。
言葉を丁寧に紡ぐ方が良い。
歌は意味がわからないと、きれいかそうでないかだけで
内容が伝わらない。
歌は心だから、言葉(意味)の伝達が不可欠。
だから、母国語で歌うのが自然と思っている。
高校時代、イタリア語やドイツ語での歌唱も少しやったけれど、
意味まで調べ、自分のものにしていたか・・・。怪しい。
カッコよさだけで演奏していたかもしれない。
今はそれよりも、意味を大切に、伝えたい。
言葉を紡ぐ。
歌うことで、メッセージを伝えられるとは、なんと素敵な
ことか。
また明後日、長良川でのコンサート。鵜飼開きシーズンの
ラストステージとなる。
紡いだ言葉が音となり、清流に運ばれ海へ、
世界へ未来へ届いたら・・・。