音楽の魅力のひとつは、その演奏者やその演奏スタイル・形式から、さまざまな人生を学ぶことができるという点。
たとえば、独奏曲。いわゆるソロ演奏。ピアノ、チェロ、バイオリン、またアカペラも無伴奏の独唱なので、そこに含まれるだろう。
ひとりで演奏する。誰も自分を導いてくれない。自分で導きながら、同時に自分の世界を表現していく。すべての注目が自分だけに集中するという緊張。自分にその作品の表現、世界の創造は任されている。
一方、協奏曲。ピアノとバイオリン。ピアノ同士。オーケストラとピアノ。複数の楽器が呼吸を合わせて一緒に演奏する。デュオ、トリオ、カルテットなど少人数の場合は、それぞれが個々に目を合わせ、心を通わせながら、一緒にひとつの世界を作り上げる。一緒にという共同作業は音色を重層的に、深みあるものにしてくれるので、その重なりが何とも素晴らしい。ハーモニーは、コミュニケーションが育むすばらしさを教えてくれる。協奏曲の魅力はまさに調和だ。
交響曲となると、オーケストラ。管楽器、弦楽器、打楽器それぞれ、金属から木製まで素材もカタチもさまざまな楽器でそれぞれが違う音色を出し、大きな重層的な響きを作り上げる。ここでは指揮者の役割が重要になる。
大勢の演奏家たちが、呼吸を合わせ、お互いの音色を聴きながら自分の役割を発揮している様は、感動のコミュニティを思わせる。
楽曲と演奏者。いろんな組み合わせがあるが、自分はどれが適しているか?
多分、独奏曲だろう。でも、ときに協奏曲も良い。
音楽を聴きながら、演奏者の表現を聴きながら、自分の生き方に置き換えてみるのも面白い。