会社員時代を思い出す。今から30年以上前のことだ。
それはそれは、コンペ漬けの日々であった。
企業が新たな商品を出したり、キャンペーンをやる、
会社案内、学校案内をつくりとき・・
コンペになることは日常であった。
使命発注にはならない仕事も多い。とくに金額の大きい取引、
いろんなアイデアをもとに決定したいときなどは、そうなることが
多かった。
仕事の取り合いが当たり前。
広告代理店ともよく競り合った。
勝ったときも、負けた時も。
いろいろな結果を味わってきたが、
政治の力でコンペに負けた時ほど、悔しいことは
なかった。
また、独立してからは自治体の事業のコンペで審査員を
したことがあった。自分の採点が事業者の方の結果に
影響するという気の重い仕事。
準備するだけでも大変なのに・・・とコンペに負けた
人、企業に申し訳なく思ったこともあった。
今、自分の仕事ではコンペはない。
その分。毎日自分との戦いはあるが。
コンペにならない仕事の方が良い。
会話のなかで、関係性の中で相談されたり、そこから何か
提案が生まれ、仕事が進む・・という自然の流れがいい。
コンペに勝ち抜くための相談もある。
内容とプレゼン。両者の準備が必要だ。
でも、どれだけがんばっても、どれだけ知恵をしぼっても
勝てないときもある。
いろんな力が作用するプレゼン。
内容、関係性、そしてコスト・・・。
もちろんコンペで戦うからこそ、力がつくという面もある。
勝ったときの喜びは今も忘れられない。
と、
会社員時代のあの日々を思い出しながら、
あれがあったから、今があるのか・・と思いつつ。
今、その勝負に立ち向かう人達にエールを送りたい。
コンペは、オリエンの前からはじまっていると。
勝つとか負けるとか、戦うとか、そんな言葉は大嫌いであるが
ビジネスの世界では、それが日常。
本当に強い会社になるには・・。
コンペ対策ではなく、もっと根本的な課題である。